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空間 (数学) : ミニ英和和英辞書
空間 (数学)[くうかん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [そら]
 【名詞】 1. sky 2. the heavens 
空間 : [くうかん]
 【名詞】 1. space 2. room 3. airspace 
: [けん, ま]
 【名詞】 1. space 2. room 3. time 4. pause 
: [すう, かず]
  1. (n,n-suf) number 2. figure 
数学 : [すうがく]
 【名詞】 1. mathematics 2. arithmetic 
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 

空間 (数学) : ウィキペディア日本語版
空間 (数学)[くうかん]

数学における空間(くうかん、)は、集合に適当な数学的構造を加味したものをいう。
現代数学における「空間」の扱いは、古典的な扱いと比べると、極めて異なる。
数学的空間は(ある空間のクラスが基となる空間のクラスの特徴を全て受け継ぐという意味で)しばしば階層構造を示す。例えば、任意の内積空間は、‖''x''‖2 := ⟨''x'', ''x''⟩ によって内積がその空間上のノルムを導くから、ノルム空間にもなる。
== 歴史 ==

=== 黄金時代以前 ===
古い時代の数学では「空間」は日常生活において観察される三次元空間の幾何学的抽象化であった。ユークリッド(紀元前300年頃)以来、公理的手法を主要な道具とした研究が行われていた。デカルトにより、座標を用いる方法(解析幾何学)が導入されるのは1637年のことである。このころは幾何学の定理というものは、自然科学における主題同様に、直観と理屈を通して知ることのできる絶対的で実在の真実として扱われていたし、公理というものは定義の言外において疑いようのない事実として扱われていた。
幾何学的な図形の間に、合同相似という二種類の同値関係が考えられた。平行移動回転変換鏡映変換などは図形をそれと合同な図形にうつし、相似変換(拡大縮小)は図形をそれと相似な図形へうつす。例えば、円はどれも互いに相似だが、楕円は円と相似でない。モンジュが1795年に画法幾何学射影幾何学)によって導入した第三の同値関係は、射影変換に対応するもので、楕円抛物線双曲線も適当な射影変換の下で円に写されるから、これらはすべて射影的に同値な図形ということになる。
ユークリッド幾何射影幾何との関係は、数学的対象がその「構造によって」与えられるものではないということを示すものになっている。それどころか、各数学理論は、その対象が持つ「ある種の」性質によって(正確には、それらが満たす理論の基礎となる公理によって)記述されるのである。
射影幾何の公理には、距離や角度といったものは述べられていないから、従って射影幾何学の定理にそれらが現れることもない。故に「三角形の内角の和はいくらか」という問いはユークリッド幾何学では意味を持つが射影幾何学においてはまったく意味を成さない。
19世紀には別な状況が現れる。「三角形内角の和」がきちんと定義できるにもかかわらず、それが古典的な幾何学における値(つまり180度)と異なるような幾何学が出現するのである。そのような幾何学としての双曲的非ユークリッド幾何は、1829年にロバチェフスキーが、1832年にボヤイが(また非公表であったけれども、1816年にガウスが)導入した〔 幾何で、そこでは三角形の内角の和が180度よりも常に小さくなる。1868年にはベルトラミが、1871年にはクラインが、双曲的非ユークリッド幾何のユークリッド的な「模型」を得ることに成功して、これらの幾何学の完全な正当化を果たした。
このような発見から、ユークリッド幾何こそが絶対的な真理であるという主張は放棄せざるを得なくなり、幾何学の公理は「疑いようのない事実」でも「定義の含意」でもない、仮説にすぎないことが明らかとなった。つまり、「経験的実在に対応する幾何学の範囲はどのようなものか」という物理学的に重要な問いは数学にとっては何の重要性ももたないものとなったのである。ただし、「幾何学」が経験的実在と対応しないとしても、幾何学の定理は「数学的な真実」であることに変わりはない〔。
非ユークリッド幾何のユークリッド模型は、ユークリッド空間に存在する適当な対象とそれらの間の関係で、非ユークリッド幾何の公理を全て(従って定理も全て)満たすようなものを巧みに選び出したものである。これらのユークリッド的対象と関係は、あたかも非ユークリッド幾何にもともと存在する該当の対象や関係として「振舞う」が、ユークリッド模型として選ばれた対象や関係はあくまで非ユークリッド幾何における対象や関係を模倣しているに過ぎない。これによって、対象の間の関係は数学として本質的なものであって、対象が自然に持つ特質ではないことが示される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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